生活保護の条件と申請方法 受給額・手続きの流れ

生活保護は憲法25条に基づく「健康で文化的な最低限度の生活」を保障する制度です。 「自分は受けられないだろう」と思い込んでいる方も多いですが、条件を満たせば誰でも申請できます。この記事では、条件・申請方法・受給額を具体的に解説します。

最終更新: 2026年3月15日

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生活保護の受給条件

生活保護を受けるには、以下の4つの要件を満たす必要があります(「補足性の原則」)。

1

資産の活用

預貯金、生命保険の解約返戻金、利用していない不動産、価値のある車など、活用できる資産がないこと。ただし住居用の持ち家は保有可能なケースが多いです。

2

能力の活用(就労の努力)

働ける能力がある場合は、就労に努めること。ただし病気・障害・高齢・育児などで働けない場合は、この要件は免除されます。働いていても収入が最低生活費に満たない場合は受給可能です。

3

他の制度の活用

年金、失業手当、児童扶養手当など、他の公的制度で受けられる給付を先に利用すること。他の制度を利用してもなお不足する場合に生活保護が適用されます。

4

扶養義務者の扶養

親族(親、子、兄弟姉妹)から援助を受けられないか確認されます(扶養照会)。ただし、DV被害者や音信不通の場合は照会を拒否できます。扶養照会は義務ではなく、断られても申請は可能です。

重要: 上記の要件は「絶対条件」ではなく「原則」です。個々の事情に応じて柔軟に判断されます。「条件を満たさないかも」と思っても、まず相談してみましょう。

受給額の目安(世帯別)

世帯構成 生活扶助(月) 住宅扶助上限(月) 合計目安(月)
単身(20〜40代)東京23区 約7.6万円 53,700円 約13万円
単身(65歳以上)東京23区 約7.2万円 53,700円 約12.6万円
母子世帯(子1人)東京23区 約16万円(母子加算含む) 69,800円 約23万円
夫婦+子1人 地方都市 約14万円 35,000〜45,000円 約18〜19万円

※金額は地域(級地区分)と年齢により異なります。上記は目安です。

8種類の扶助の内容

扶助の種類 内容 備考
生活扶助 食費、被服費、光熱費など日常生活費 現金支給
住宅扶助 家賃(上限あり) 現金支給。持ち家の場合は修繕費
医療扶助 医療費全額 自己負担なし。指定医療機関で受診
介護扶助 介護サービス費 自己負担なし
教育扶助 義務教育の学用品費、給食費 小中学生の子がいる場合
出産扶助 出産費用 上限あり
生業扶助 就労に必要な技能習得費、高校の学費 高校の授業料も含む
葬祭扶助 葬儀費用 上限あり(約20万円)

申請手続きの流れ

1

福祉事務所に相談(事前相談)

住んでいる市区町村の福祉事務所に行き、生活の状況を相談します。電話でも可能です。「生活保護を申請したい」と明確に伝えましょう。

2

申請書の提出

生活保護申請書に必要事項を記入して提出します。申請は口頭でも有効ですが、書面の方が確実です。申請日から14日以内(最長30日以内)に決定されます。

3

調査(家庭訪問・資産調査)

ケースワーカーが自宅を訪問し、生活状況を確認します。預貯金、保険、不動産等の資産調査も行われます。扶養照会(親族への確認)が行われることもあります。

4

決定通知

申請から原則14日以内(最長30日以内)に保護の決定通知が届きます。認定されれば、申請日に遡って保護費が支給されます。

申請に必要なもの

  • 本人確認書類(マイナンバーカード、運転免許証等)
  • 印鑑
  • 通帳(全ての口座)
  • 賃貸契約書(住居の場合)
  • 給与明細、年金証書、その他収入がわかるもの
  • 医療費の領収書(あれば)
  • 離職票(失業の場合)

※書類が揃っていなくても申請は可能です。後日提出できます。

よくある疑問(持ち家・車・貯金)

貯金があっても受けられる?

最低生活費の半月分程度(単身で約6〜7万円)以下の貯金であれば問題ありません。貯金がゼロになるまで待つ必要はなく、最低生活費を下回る見込みがあれば申請可能です。

働いていても受けられる?

はい。収入が最低生活費に満たない場合、不足分が保護費として支給されます。就労収入がある場合は「基礎控除」により一定額が収入から除外されるため、働いた方が手取りが増えます。

借金があっても受けられる?

借金があっても生活保護は受けられます。ただし、保護費で借金を返済することは認められないため、生活保護と同時に債務整理(自己破産等)を行うのが一般的です。法テラスの無料法律相談を利用しましょう。

外国人は受けられる?

永住者、定住者、日本人の配偶者等、特別永住者は、日本国民に準じて生活保護を受けられます。在留資格によっては受けられない場合もあるため、福祉事務所に確認してください。

申請を断られた場合の対処法

知っておくべきこと: 生活保護の申請は国民の権利です。福祉事務所が申請を受理しないことは「違法」です(水際作戦と呼ばれます)。

1

「申請します」と明確に伝える(相談ではなく申請の意思表示)

2

書面で申請書を提出する

3

法テラス(0570-078374)に電話して法的な助言を受ける

4

生活保護支援のNPO(つくろい東京ファンド等)に同行支援を依頼

5

不服がある場合は都道府県知事に「審査請求」(決定から3ヶ月以内)

重要: 公的制度の情報は最新の公式情報をご確認ください。厚生労働省のWebサイトまたはお住まいの市区町村の福祉事務所にお問い合わせください。

よくある質問

Q. 生活保護は誰でも受けられますか?
A. 生活保護は「最後のセーフティネット」として、他の制度や自助努力を尽くしても最低限度の生活を維持できない場合に受給できます。年齢や職業に関係なく、国籍(日本国民)があれば申請可能です。資産の処分、働ける場合は就労の努力、親族への扶養照会が条件として求められます。
Q. 生活保護でいくらもらえますか?
A. 地域と世帯構成により異なります。単身世帯(東京23区)の場合、生活扶助約8万円+住宅扶助上限5.4万円=月約13.4万円が目安です。地方都市は生活扶助が低くなります。医療費と介護費は全額公費負担(自己負担なし)です。
Q. 持ち家があっても生活保護は受けられますか?
A. 住んでいる持ち家であれば、保有が認められるケースが多いです。ただし、ローンが残っている場合は原則として認められません(ローン返済に保護費を充てることになるため)。高額な不動産や利用していない不動産は処分を求められます。
Q. 車を持っていても生活保護は受けられますか?
A. 原則として車の保有は認められません。ただし、通勤に不可欠(公共交通機関がない地域)、障害がある、自営業で必要などの理由があれば保有が認められるケースもあります。福祉事務所に相談しましょう。
Q. 生活保護の申請を断られた場合はどうすれば?
A. 申請を受理しないこと自体が違法です。「申請したい」と明確に伝えましょう。口頭で断られた場合は書面で申請する旨を伝えてください。それでも受理されない場合は、法テラス(0570-078374)や生活保護支援のNPOに相談しましょう。

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