60代でお金がない時の対処法 年金だけで暮らせる?

60代は定年退職を迎え、収入が年金中心に切り替わる大きな転換期です。「年金だけで生活できるのか」「貯金がないのに老後はどうなるのか」と不安を感じている方は少なくありません。 この記事では、60代のお金の現実と、今からできる具体的な対策を解説します。

最終更新: 2026年3月15日

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60代のお金の現実 年金受給額と生活費

まず、60代の経済的な現実を数字で確認しましょう。

項目 単身世帯 夫婦世帯
平均年金受給額(月) 約14.5万円(厚生年金)
約6.5万円(国民年金のみ)
約22万円(厚生年金+国民年金)
平均月間支出 約15.5万円 約27万円
月間不足額 約1〜9万円 約5万円
60代の平均貯蓄額 中央値: 約700万円 / 約2割が貯蓄ゼロ

出典: 総務省「家計調査」、厚生労働省「年金制度基礎調査」(2024年度)。上記は平均値であり、個人の状況により大きく異なります。

60代でお金がない5つの原因

1

退職金が想定より少なかった

近年、退職金制度を縮小・廃止する企業が増えています。2003年の平均退職金2,499万円から2023年は1,896万円と約600万円減少。見込み額と実際の金額にギャップがあるケースが多いです。

2

住宅ローンの残債

定年退職後もローンが残っている場合、年金からの返済は大きな負担です。退職金で一括返済すると老後の生活資金が枯渇するリスクがあります。

3

医療費・介護費の増加

60代は生活習慣病が顕在化しやすい年代です。入院や手術の費用に加え、親の介護費用の負担も重なることがあります。

4

年金の繰上げ受給で受給額が減った

60歳から繰上げ受給すると、65歳から受け取る場合と比べて最大24%減額されます。目先の資金不足で繰上げた結果、長期的に生活が苦しくなるケースがあります。

5

生活水準を下げられない

現役時代の生活レベルを維持しようとして、収入減にもかかわらず支出が減らないケースです。外食、車の維持費、交際費などが年金生活の家計を圧迫します。

年金だけで暮らすためのシミュレーション

年金だけで生活するには、支出を年金受給額以内に抑える必要があります。以下は月14万円(厚生年金の平均)で暮らす場合の家計モデルです。

支出項目 目標額 節約のポイント
住居費 3〜5万円 持ち家ならローン完済を目指す。賃貸なら公営住宅も検討
食費 3万円 自炊中心。シニア割引の活用
光熱費 1.5万円 電力会社の見直し。LED照明に交換
通信費 3,000円 格安SIMに変更
医療費 1万円 高額療養費制度の活用
交際費・趣味 1万円 無料の公共施設・イベントを活用
その他(日用品等) 1万円 まとめ買い・ポイント活用
合計 約11.8〜13.8万円 年金14万円以内に収めることは可能

ポイント: 住居費がカギです。持ち家でローン完済済みなら住居費は固定資産税・修繕費のみとなり、年金生活の実現可能性が大幅に高まります。

60代が使える公的支援制度一覧

制度名 概要 金額目安 窓口
年金生活者支援給付金 所得が低い年金受給者への上乗せ 月最大約5,310円 年金事務所
高額療養費制度 医療費の自己負担に上限を設定 70歳未満: 月8万円程度が上限 健康保険組合・市区町村
高年齢求職者給付金 65歳以上で離職した場合の一時金 基本手当日額の30〜50日分 ハローワーク
生活福祉資金貸付 低所得世帯向けの無利子〜低利貸付 緊急小口: 最大10万円
総合支援: 最大60万円
社会福祉協議会
介護保険の負担軽減 介護サービス費の自己負担額を軽減 所得に応じて1〜3割負担 市区町村の介護保険課
生活保護 最低限の生活を保障 地域により月6〜13万円程度 市区町村の福祉事務所

重要: 公的制度の情報は最新の公式情報をご確認ください。制度の内容や金額は変更されることがあります。お住まいの市区町村の窓口にお問い合わせください。

60代からの働き方と収入源

再雇用制度(60〜65歳)

高年齢者雇用安定法により、希望すれば65歳まで働けます。給与は現役時代の5〜7割程度に下がることが多いですが、安定した収入源です。「高年齢雇用継続給付」で給与減少分の一部が補填されます。

シルバー人材センター

60歳以上が対象。庭木の手入れ、清掃、事務作業など軽作業が中心。月数万円程度の収入になります。社会参加・健康維持の側面もあり人気です。

パート・アルバイト

マンション管理人、警備員、コンビニ・スーパーのスタッフなど。週3〜4日、1日4〜6時間の勤務で月5〜10万円の収入が見込めます。

スキル・経験を活かした仕事

コンサルティング、講師、Webライティングなど。現役時代の専門知識を活かせれば高い時給も可能です。クラウドソーシングサイトで在宅で働くこともできます。

注意: 65歳未満で年金を受給しながら働く場合、収入に応じて年金が一部カットされる「在職老齢年金」制度があります。月収+年金が50万円を超えると年金が減額されます。

今すぐお金が必要な場合の対処法

1. 不用品を売る

使っていないブランド品、貴金属、時計、着物などを買取業者に売却しましょう。60代は長年で貯まった高額品をお持ちの方が多く、数十万円になることも。出張買取なら自宅に来てもらえます。

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2. 生活福祉資金を借りる

社会福祉協議会の「緊急小口資金」なら無利子で最大10万円を借りられます。返済期間は12ヶ月以内。消費者金融に頼る前に、まず公的制度を検討しましょう。

3. リバースモーゲージを検討する

持ち家がある場合、自宅を担保に生活資金を借りる「リバースモーゲージ」が利用できます。自宅に住み続けながら資金を得られ、返済は死後に自宅の売却で行います。

4. FPに相談して家計を見直す

年金・保険・家計をトータルで見直すことで、月2〜5万円の改善が可能です。FPの無料相談では、老後の資金計画を一緒に作ってもらえます。

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60代からの節約術と家計見直し

固定費の見直し

  • 携帯を格安SIMに変更(月5,000円節約)
  • 不要な保険の見直し・解約
  • 電気・ガスの契約を比較・変更
  • 使っていないサブスクを解約
  • 車の維持が不要なら手放す(年30〜50万円節約)

変動費の削減

  • 外食を減らし自炊中心に
  • シニア割引を積極的に活用
  • ポイントカード・キャッシュレス還元の活用
  • 図書館・公共施設の無料サービス利用
  • 医療費は確定申告で医療費控除を申請

60代で絶対に避けるべきこと

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退職金の安易な投資

「退職金で一発逆転」は危険。ハイリスク投資で退職金を失う事例が後を絶ちません。投資するなら少額から分散投資で。

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高金利ローンでの借入

年金収入だけでは返済が困難になるリスク大。借りる前に公的支援制度の利用を検討しましょう。

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詐欺・悪徳商法

60代以上は特殊詐欺のターゲットになりやすいです。「必ず儲かる」「今だけ」という話は詐欺の可能性大。不審な連絡は消費生活センター(188)に相談を。

よくある質問

Q. 60代で貯金がゼロでも生活できますか?
A. 年金だけでの生活は厳しいですが、不可能ではありません。総務省の家計調査では65歳以上の単身世帯の平均支出は月約15万円です。年金受給額が不足する場合は、生活保護や各種公的支援制度の利用も検討しましょう。まずはFPに相談して具体的な家計プランを立てることが大切です。
Q. 60代の平均年金受給額はいくらですか?
A. 厚生年金の平均受給月額は約14.5万円(2024年度)、国民年金のみの場合は約6.5万円です。夫婦二人で厚生年金+国民年金の場合、月22万円程度が平均です。ただし、個人の加入期間や収入によって大きく異なります。年金事務所で「ねんきん定期便」を確認しましょう。
Q. 60代でも働ける仕事はありますか?
A. はい。再雇用制度(65歳まで)のほか、シルバー人材センター、マンション管理人、警備員、清掃業、介護補助などが人気です。近年はコンビニやスーパーのパートも60代の採用が増えています。ハローワークの「生涯現役支援窓口」で相談できます。
Q. 年金だけでは足りない場合に使える公的制度は?
A. 年金生活者支援給付金(月最大約5,000円)、高額療養費制度、介護保険の負担軽減制度、住民税非課税世帯向けの給付金などがあります。収入が極端に低い場合は生活保護も選択肢です。市区町村の高齢者福祉窓口に相談しましょう。
Q. 60代で住宅ローンが残っている場合はどうすれば?
A. まず金融機関に返済条件の変更(返済期間延長・一時的な返済額減額)を相談しましょう。住み替え(ダウンサイジング)やリバースモーゲージ(自宅を担保に生活資金を借りる制度)も選択肢です。退職金で一括返済すると老後資金が枯渇するリスクがあるため、FPに相談して判断しましょう。
Q. 60代から始められる節約術は?
A. 固定費の見直しが最も効果的です。携帯を格安SIMに変更(月5,000円節約)、不要な保険の解約、電気・ガスの契約見直し、サブスクの整理を行いましょう。食費は自炊中心にし、シニア割引やポイント還元も積極的に活用します。月2〜3万円の節約は十分可能です。

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