更新日: 2026年3月14日
個人再生とは?条件・費用・手続きの流れを完全解説
「借金が大きすぎて任意整理では返しきれない」「でも住宅は手放したくない」そんな方に最適なのが個人再生です。 裁判所に再生計画を認可してもらうことで、借金を最大90%カット(最低100万円まで減額可能)できます。 住宅ローン特則を使えば、マイホームを残したまま他の借金だけを大幅に減額できる唯一の方法です。
ご注意ください
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律アドバイスではありません。 個人再生の可否や費用は個々の状況によって大きく異なります。必ず弁護士にご相談ください。
個人再生とは
個人再生(民事再生法に基づく個人版の再生手続き)は、裁判所に再生計画案を提出し、認可を受けることで借金を大幅に減額できる法的手続きです。減額された借金を原則3年間(最長5年間)で分割返済することで、残りの借金が免除されます。
個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2つの手続きがあります。多くの方は小規模個人再生を利用します。
| 項目 | 小規模個人再生 | 給与所得者等再生 |
|---|---|---|
| 対象者 | 安定した収入がある個人 | 給与等の安定収入がある個人 |
| 債権者の同意 | 不同意の債権者が半数未満であること | 不要 |
| 最低返済額 | 法定の最低弁済額 | 法定の最低弁済額 or 可処分所得2年分の多い方 |
| 利用頻度 | 多い(主流) | 少ない |
個人再生の条件(利用要件)
個人再生を利用するには、以下の条件を全て満たす必要があります。
条件1:住宅ローンを除く借金総額が5,000万円以下
住宅ローンや担保付きの借金を除いた、無担保の借金の総額が5,000万円以下であることが必要です。
条件2:将来的に継続的・反復的な収入の見込み
会社員、公務員、パート・アルバイト、年金受給者など、定期的な収入がある方が対象です。完全な無収入の方は利用できません。
条件3:再生計画に基づく返済が可能
減額後の借金を原則3年(最長5年)で返済できる収入があることが必要です。
条件4:個人であること
法人は対象外です。個人事業主は利用可能です。
個人再生でどのくらい借金が減るか
個人再生では、借金総額に応じて以下の最低弁済額が定められています。
| 借金総額 | 最低弁済額 | カット率 |
|---|---|---|
| 100万円未満 | 全額 | 0% |
| 100万円〜500万円未満 | 100万円 | 最大80% |
| 500万円〜1,500万円未満 | 借金の1/5 | 80% |
| 1,500万円〜3,000万円未満 | 300万円 | 最大90% |
| 3,000万円〜5,000万円 | 借金の1/10 | 90% |
例:借金が400万円の場合、最低弁済額は100万円。つまり300万円がカットされます。100万円を3年間(36回)で返済すれば月々約2.8万円、5年間(60回)なら月々約1.7万円です。
※ただし、保有する財産の総額が最低弁済額を上回る場合は、財産の総額以上を返済する必要があります(清算価値保障原則)。
住宅ローン特則(住宅資金特別条項)とは
個人再生の最大の特徴が住宅ローン特則です。これは、住宅ローンだけは従来通り支払い続けることで、マイホームを手放さずに他の借金を大幅に減額できる制度です。
住宅ローン特則の条件
- ✓本人が所有し、居住している住宅であること
- ✓住宅ローン以外の抵当権が設定されていないこと
- ✓住宅ローンの滞納がないこと(一定期間内であれば巻き直し可能な場合あり)
- ✓保証会社が代位弁済をしてから6ヶ月以内であること
住宅ローン特則のパターン:通常は「そのまま型」(現在の返済条件を維持)を利用しますが、返済が苦しい場合は「期限延長型」(最長10年間延長)や「元本猶予型」なども選択できます。弁護士と相談して最適な方法を決めましょう。
個人再生の費用
| 費用項目 | 金額の目安 |
|---|---|
| 弁護士費用(着手金+報酬) | 30〜50万円 |
| 住宅ローン特則あり | +5〜10万円 |
| 裁判所への申立費用 | 約3万円 |
| 個人再生委員の報酬(東京地裁等) | 15〜25万円 |
| 合計目安 | 33〜88万円 |
※個人再生委員が選任されるかは裁判所によって異なります。東京地裁は全件選任、他の地裁は弁護士がついていれば不要なケースが多いです。分割払い・法テラスの費用立替制度も利用可能です。
個人再生のメリット・デメリット
メリット
- ✓借金を最大90%カットできる
- ✓住宅ローン特則で家を残せる
- ✓職業制限がない(自己破産との違い)
- ✓借金の原因を問わない(ギャンブル等でもOK)
- ✓車を残せる場合がある
- ✓強制力がある(裁判所の認可決定)
デメリット
- ✕手続きが複雑で期間が長い(6ヶ月〜1年)
- ✕官報に掲載される
- ✕信用情報に5〜10年間登録される
- ✕費用が高い(30〜50万円〜)
- ✕安定収入が必要
- ✕全ての借金が対象(選べない)
個人再生の手続きの流れ
弁護士に無料相談・正式依頼
借入状況や収入を伝え、個人再生が適切か判断してもらいます。依頼後、受任通知が送付され督促がストップします。
申立書類の準備(1〜3ヶ月)
収入証明、家計の収支表、財産目録、債権者一覧表などの書類を準備します。弁護士が作成を補助してくれます。
裁判所への申立て・再生手続開始決定
裁判所に申立書を提出。要件を満たしていれば再生手続開始決定が出されます。個人再生委員が選任されることもあります。
債権額の確定・再生計画案の作成
各債権者から届出された債権額を確定し、再生計画案(返済計画)を作成します。裁判所に提出します。
書面決議・意見聴取(小規模個人再生の場合)
債権者に再生計画案が送付され、不同意の回答をした債権者が半数未満かつ債権額の半額未満であれば認可に進みます。
再生計画の認可決定・返済開始
裁判所が再生計画を認可し、確定から約1ヶ月後に返済開始。原則3年間(最長5年間)で計画通りに返済すれば、残りの借金は免除されます。
個人再生が向いている人
- ✓借金が大きく、任意整理(利息カットのみ)では返済が難しい方
- ✓住宅ローンがあり、マイホームを手放したくない方
- ✓自己破産すると職業制限を受ける方(保険外務員、警備員、士業など)
- ✓借金の原因がギャンブルや浪費で、自己破産の免責が認められない可能性がある方
- ✓安定した収入がある方(会社員、公務員、パートなど)
個人再生と任意整理・自己破産の比較
個人再生の注意点
再生計画の履行(返済)を必ず守る
再生計画に基づく返済を怠ると、再生計画が取り消され、元の借金額に戻ってしまいます。毎月の返済を確実に行うことが重要です。
清算価値保障原則
保有する財産(預貯金、保険解約返戻金、退職金見込額の1/8、不動産の評価額からローン残額を引いた額など)の合計が最低弁済額を上回る場合、財産の合計額以上を返済する必要があります。
保証人への影響
個人再生をすると、保証人がいる借金は保証人に請求が行きます。事前に保証人にも相談し、場合によっては保証人も債務整理を検討する必要があります。
手続き中の制約
手続き中は家計の収支を毎月記録する必要があります。また、裁判所への報告義務や、財産の処分制限などがあります。
まずは無料相談で個人再生が可能か確認しましょう
個人再生の条件を満たしているか、費用はいくらかかるか、住宅ローン特則は使えるか。 弁護士に相談すれば、これら全てを無料で確認できます。
公的な無料相談窓口
法テラス
国の法律支援機関。弁護士費用の立替え制度あり。
電話: 0570-078374
消費生活センター
多重債務の相談窓口。
消費者ホットライン: 188
Q&A 個人再生のよくある質問
Q. 個人再生とは何ですか?
Q. 個人再生の条件は何ですか?
Q. 個人再生の費用はいくらかかりますか?
Q. 個人再生で住宅ローンはどうなりますか?
Q. 個人再生と自己破産の違いは何ですか?
Q. 個人再生は会社にバレますか?
Q. 個人再生の手続き期間はどのくらいですか?
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免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、法律アドバイスではありません。個人再生の可否・費用・効果は個々の状況によって大きく異なります。具体的な状況については必ず弁護士にご相談ください。